理工学専攻

理工学専攻
(Major in Science and Engineering:English)

科学技術や社会の創造に貢献

理工学専攻には,先端材料工学コース,数理科学コース,知能情報デザイン学コース,物理・応用物理学コース,機械・電気電子工学コースが設置されています。本専攻では,数理,物理,情報の基礎知識を身に付け,その知識を基に,数理科学,物理学,情報科学,機械工学,電気電子工学,材料工学の発展に寄与し,新たな科学技術や社会の創造に貢献できる国際感覚に優れた高度技術者・研究者を養成します。

・教育目標   ・教育における基本ポリシー
 

先端材料工学コース

(2021年4月設置)
材料科学の基礎から応用までの知識を有し,材料の開発や設計,製造や加工プロセスの構築,力学特性の測定や評価等を行う高度技術者・研究者を育成します。本コースでは,物理学,数学,化学,情報工学及び材料科学の科目を一つのコース内に配置しています。また,履修生の専門に関係の深い学問領域を深く追究できる科目を置くと同時に,材料分野全般に広がりを持たせる科目も配置しています。具体的には材料評価系科目(材料強度評価,量子線回折,組織評価学),材料創成系科目(電子デバイス,材料合成,冶金)から材料計算系科目(計算物理学,機械学習,流体シミュレーション)を配置しています。これにより,材料の計算的手法,各種特性の評価および製造プロセスの相互関係を,専攻する専門にかかわらず広く修得できる科目配置となっています。

数理科学コース

数理科学の体系的知識と思考方法,数理科学を他分野に展開していく能力を身につけ,種々の社会的課題を解決できる高度技術者・研究者を育成します。本コースでは,現代数理科学における重要な内容を科目として配列しています。微分位相幾何,リー代数,環論,整数論といった抽象的に深化している構造数理の内容から,関数解析,微分方程式の定性的理論,偏微分方程式などの応用まで見渡せる解析数理の内容,そして凸解析,数値解析,金融数学,数理生物学,統計科学などの現象解明のためのツールとなる内容まで,数理科学における抽象化と具現化が学べる科目群を整備しています。また,東北師範大学とのダブルディグリープログラムにおいて,科目の読み替えと単位換算が直ちに可能となっています。

知能情報デザイン学コース

知能情報デザイン学コースでは、ソフトウェア・ハードウェアのものづくりを実践したい人やそのための理論的背景を学び、新たな方法論を提案したい人を求めます。
情報システムの応用から理論的基礎およびデータ工学の幅広い範囲の研究トピックを扱っています。データ工学のトピックに知能情報学、統計科学、機械学習、情報検索等を、情報システムのトピックに、ネットワークや暗号、ヒューマンコンピュータインタラクションや福祉情報工学、プログラミング教育、ハードウェアおよびソフトウェアの設計・分析・検証、DNA計算、項書換えシステムや定理証明、アルゴリズムや計算量等を含みます。

物理・応用物理学コース

(2021年4月設置)
物理学の基礎から応用までの知識を有し,種々の物理現象や機能の発現機構の解明,エネルギー関連材料の創成,先進材料を用いた電子デ バイスの開発等を行う高度技術者・研究者を育成します。本コースでは,理学系と工学系の科目を一つのコース内に配置しています。履修生の専門に関係の深い学問領域を深く追究できる科目を置くと同時に,関連する分野(理学系・工学系)の科目もまんべんなく配置しています。そのために,理学系の科目で は,理論系科目(電子物性理論,ソフトマター,素粒子論)から実験系科目(磁性・光学)までを配置し,工学系の科目では,理論系科目(電子論)から実験系(結晶工学,電子デバイス)の科目を配置しています。これにより,理論(原理)と実践(応用)の相互関係を,理学系・工学系のどちらに基盤を置いても修得できる科目配置となっています。

機械・電気電子工学コース

機械工学,電気電子工学に関する幅広い知識を有し,知能化・高機能化が求められる時代の高度な社会基盤の構築及びものづくりに貢献できる高度技術者・研究者を育成します。機械工学の分野では,材料力学,機械力学,熱流体工学といった重要な力学系科目及び制御工学,機械設計,ロボット工学の応用系科目を配置しています。電気電子工学の分野では,様々なテーマを扱う科目を開講するなかで,特に,光及び電波を利用する工学の教育に力を入れる方針であり,これらを用いる先端的な計測技術と通信技術を扱う科目を充実させています。さらに,人間工学を扱う科目を開講しているのが特色です。学生が指導教員と共に履修計画を立てることによって,機械工学,電気電子工学に関する幅広い知識を修得できるようにしています。特別研究では,これらの学問分野に関連する先進的な研究を通して,実践的な研究遂行能力の育成を図ります。

○教育目標

先端材料工学コース

材料科学について基礎から応用までの幅広い知識を身につけ,多様な社会の要求に対応できる人材を育成します。そのために理論的な下地となる材料計算,物を作る上で重要な材料創成,材料を理解するために必要な材料評価を基にした教育および研究を行います。また,理学的な基礎科目だけでなく,材料科学の周辺要素である経営や語学等の教育にも力点を置きます。本コースは地域からの要望の高い「金属材料」や「ナノ材料」,「半導体材料」と言った領域で産業界と連携した教育を行います。

数理科学コース

学部で学び習得した数理科学の知識を土台とし,長い歴史と豊かな拡がりをもつ数理科学の内容についてさらに高度な理解を追求すると同時に,そこに課題を見出し,その解決を得るための研究推進を体得します。数理科学では,抽象化を広げる方向,仮定の見直しなど理論的枠組みを汎化していく方向,より利便的な同値命題の探索,現象解明の道具としての数理科学的思考の導入など,様々な研究方向がある中で,その多様性を理解しつつ,自らの研究課題を明確化し,論理を駆使して緻密に課題解決に接近する姿勢を身につけます。演繹的手法と帰納的手法を駆使し,数値的検証を重ねながら,数理科学それ自体の深化と緒現象解明に取り組める人材を養成する教育を行います。

知能情報デザイン学コース

情報学の基礎から応用までの知識を身につけ,データサイエンス,情報セキュリティ,IoT などの情報技術の活用により,社会的課題の解決や社会からの期待の実現に向けた企画・提案を行うことができる高度技術者・研究者を育成します。本コースでは,情報論理学や計算量理論などにより基礎理論を学び,これらをベースとしてネットワーク,機械学習,システム設計,暗号,プログラミング言語などの中核技術についての原理と応用を習得する科目を展開する形としています。先鋭的な理論に関してはDNA計算,ファジイ・ラフ集合論を,また応用に関しては,福祉,データマイニング,プログラム解析技術を扱う科目を配して,その上で,「情報科学基礎」を設けて多岐にわたる分野を俯瞰できるよう工夫しています。

物理・応用物理学コース

物理・応用物理学コースでは,価値の創造(工学的素養)は真理の探究(理学的素養)を基盤として最大の力を発揮することを踏まえて,物性物理学,素粒子物理学の理論的な教育研究,および,物性物理学,応用物理学の実験的・評価的な教育研究を行います。これには地域貢献が期待できるナノテクノロジー,エネルギー関連,電子デバイスに関する教育研究が含まれます。これらを通じて,理学としての基本原理の修得と探究心,工学としての応用力・展開力,および,両者を統合する視点を身に付けた,グローバル化の中での地域の課題解決と振興を担える人材を養成します。

機械・電気電子工学コース

機械・電気電子工学コースでは,機械工学及び電気電子工学の分野から幅広く科目を選択して専門的に深く学ぶと共に,これらの分野における先進的な研究を行います。このようにして,学生が,ものづくりを支える重要な学問分野である二つの工学分野に関する豊富な知識としっかりとした実践力を身につけられるようにしています。それにより,知能化・高機能化が求められる時代の高度な社会基盤の構築及びものづくりに貢献できる人材の育成を目指します。